『ゼロ秒思考 行動編』レビュー
書名:ゼロ秒思考 行動編
サブタイトル:即断即決、即実行のトレーニング
著者:赤羽雄二
この本を選んだ理由
『ゼロ秒思考』以降、この著者のビジネスブックは折を見て読みたいと考えています。今回もその一環として選びました。
内容
私は、努力すれば誰でも思った以上に「即断即決、即実行」ができるはずだし、それには比較的簡単でしかも効果的なコツがあるとも考えている。
本書は、『ゼロ秒思考』、『速さは全てを解決する』に続くシリーズの第三弾と位置付けられています。『ゼロ秒思考』で思考のスピードを早め、更に仕事のスピードを速めた上で、「即断即決、即実行」を実行するためのトレーニングをする。本書にはそのためのノウハウがまとめられています。
レビュー 〜即断即決、即実行に必要なこと〜
即断即決、即実行の意味
本書で繰り返し出てくる「即断即決、即実行」というフレーズ。この意味は冒頭で次のように述べられています。
思考がクリアになり、スピードアップへの意識・スキルが高まっても、スピード感のある「決断力」と「実行力」、言い換えると「即断即決、即実行」の点でハードルはまだまだ高いということだ。
筆者は他の著書も含め、仕事におけるスピード感の重要性を説いています。そのためには、今までの著書で述べられていた思考術、仕事のスピードアップ術にプラスして、決断し実行に移すまでのスピードを速くすることが求められる。そのために筆者が実践してきたトレーニング方法が、この本にはまとめられています。
必要なのは全体観
では、即断即決、即実行に求められるものとはなんでしょうか?本書では最も重要なポイントとして「全体観」を挙げています。
「全体観」を一言で表現するのはなかなか難しいですが(本書の中でも"いきなり理解してもらうのは難しいかもしれない"と述べています)、読んで字のごとく「全体を見通す力」ということだと思います。
目的地まで辿り着こうとする時、一寸先は闇の状態にいると前に踏み出すにはかなりの勇気が必要です。しかし、目的地までの複数のルートを知った上で最善のルートを選択していれば、その道を迷いなく進むことができます。
全体を見通す力を持っていれば、迷いなく行動ができる。これが全体観を持つことの効果であると言えそうです。
「オプション」と「フレームワーク」のトレーニング
全体観を持つために、本書では「オプション」と「フレームワーク」という考え方とそのトレーニング方法を紹介してます。
「オプション」とは、正しく選択肢を挙げること、と言い換えることができます。何か物事を選択して決める際に、選択肢を漏れなく挙げておくこと。そして選択肢を選ぶための評価方法をあらかじめ決めておくこと。この二つを意識することで、一つの選択肢を選んだ際の「迷い」を減らすことができる、という考え方です。
もう一つの「フレームワーク」は、多くの人が思い浮かべる最近のビジネスツールをそのまま思い浮かべてもらえれば良いかと思います。特に本書では2x2のマトリクスを推奨しています。複数の物事を評価する際に2つの軸を考え、適切なマトリクスを作成して物事を当てはめていく。対象をモレなくダブりなく分類することにその長所があります。
複数の対象から一つのものを選択する、という目的から考えると、「オプション」と「フレームワーク」にはややダブりがあるような気がしますが。本書では、この二つを適切に使いこなすことが全体観を持つために必要である、と述べています。当然、それらのトレーニング方法についても触れらています。
全体観を持つために、大事なこと
全体観を持つためには、他にも重要なことがあります。
本書では意外とさらっと書かれていますが、自分としてはここに大事なポイントがあるように感じました。
といっても、人によって全体観を持つことが得意な人と、比較的苦手な人がいるようだ。
得意な人は、シンプルに言えば、自分に自信がある人だ。
自分に自信があると、それがその人自身の余裕につながり、全体観の基盤になる、ということ。これは、結構大事なポイントなのではないか、と感じました。
自分に自信を持つことは、他の本でもしばしば述べられている、揺るぎなく仕事をするためのポイントの一つだと思います。ここでも出てきたか、という感じ。自分の課題の一つでしょうか。
実践したいと思うこと
オプションとフレームワーク練習用のフォーマットを作る
オプションとフレームワークには、そのトレーニング方法も書かれています(詳細はもちろん、本書にてご確認を)。トレーニングのために、そもそもそれらの「型」を事前にA4用紙で用意しておくことが必要です。まずはそれを用意することから始める必要がありそうです。
自分に自信を持つための行動
自分に自信がある人が、全体観を持ちやすい。そして自信は誰でも作ることができる…、つまり誰でも全体観を持つことができる!やや安直でしょうか。ですが、自信を持つことは自分にとって必要なことの一つであると考えています。そういったこともつなげていければいいんじゃないかと思います。
それでは。