新米会社員のビジネス書レビュー

とある地方企業の新米技術者が、会社で生き抜く術を学ぶためにビジネス書を読んでレビューするブログです。

『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』レビュー

書名:東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方

副題:想定外の時代を生き抜くためのヒント

著者:上田正仁

思考力シリーズ第2弾。

 

東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方

東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方

 

 この本を選んだ理由

前回と同じく、問題解決のための思考力を養いたいと考えたから。

 総評

現代の日本では、与えられた問題を可能な限り多く解く「マニュアル力」ではなく、自分で問題を見つけ解決に導くための「自ら考え、創造する力」が必要であるとし、そのために必要な「問題を見つける力」「解く力」「諦めない人間力」の3つを鍛えよう、という内容です。ポイントは、十分に理解した情報を常に「捨てる」ということ。

内容が論理だっており非常にわかりやすく、思考力を鍛えるためのノウハウも書かれています。かなりおすすめできる一冊だと思います。

レビュー

 筆者は理論物理学者であると同時に、学生を指導する立場にある方です。学生を指導する中で、高校から博士課程に至るまでに「優秀さ」の基準が変わっていくことを説いています。博士課程において重視される「自ら考え、創造する力」こそが、現代社会において必要であるというのが筆者の主張です。そして、その力の鍛え方などを丁寧に解説しています。

上記のような背景を持っているため、本書は研究を生業とする人に向けた内容が中心であると言えます。著者本人も研究一筋の方の様なので、どれだけビジネスの世界に活かせるのかは正直未知数のところもあるかと。ですが、考える力自体は今の時代どこに行っても必要だと思いますし、鍛え方も他の分野にも転用できそうな方法論であると感じました。

マニュアルだけでは乗り切れない新しい社会の状況に対応するためには、本当の意味での「考える力」を鍛え、「創造する力」を身につけることが必要です。

 

筆者は「自ら考え、創造する力」が「問題を見つける力」「解く力」「諦めない人間力」の3要素で構成されていると説明しています。本書で特に力を入れているのが「問題を見つける力」。その鍛え方は、常にメモのように記録できるものを持ち歩き、考えたこと、疑問に思ったことをメモする習慣を作る、ということ。そして、その疑問が解決した時にはその内容を捨ててしまう、ということです。また、課題を考えるための情報収集に関しても、自分の言葉でメモに残すこと、理解した情報を捨てる、ということを重視しています。

この「捨てる」ということに関しては、余計な情報を頭から除外すること、そして理解できていないところを明確にすること、の2点を大きな効果として挙げています。これは筆者自身も実践しているやり方だそうです。ビジネスの世界では安易に捨てられない情報も多々あるとは思いますが、「思考の外に押し出す」ことが目的なので、柔軟にやり方をアレンジすればどういった状況にも応用できそうな気がします。

「解く力」「諦めない人間力」に関しては、鍛え方というよりは方法論やその重要性を述べるに留まっている印象です。この2点に関しても、もっと鍛え方まで掘り下げて欲しかったというのが正直なところ(「問題を見つける力」までの内容で半分のページを割いています)。

 

本書は、現代の日本が「マニュアル力」を必要とする時代から、「自ら考え、創造する力」を必要とする時代へと変化している、という内容で締められています。現代社会を生き抜くためにも、こういった力を鍛えていきたいと強く思います。

実践しようと思ったこと

  • 日常の中で疑問に感じたこと、考えたことを逐一メモに取り、その内容について「その場で」少しでも考えること
  • 情報収集の際も、自分の言葉で再編集してメモに残すこと
  • 理解したメモ、不要になったメモを捨てること

気に入ったフレーズ

ピンチのときにこそ、ひらめきは近いのです。

 

それでは。